磯のグレ釣りが好きな大分の釣り師、池永祐二。2006年からの“磯にはいつも夢がある”を継いでいるブログです。還暦を過ぎ、現役から一歩退いた形になりましたが、釣行記や趣味としての鳥見などを主体に、自然の素晴らしさを記録しています。
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① サンコウチョウ♀成鳥 アイリングと嘴が青い・体色茶色 (6月)    

② サンコウチョウ♂成鳥 3年以上 飾り羽約30㎝・アイリング・嘴が青・体色紫(6月)


ネットなどで表現されている事柄に
①   サンコウチョウは南国に戻る時、長い尻尾を落とし飛びやすくして戻る。
A  大分には水の子灯台が有って、そこで落鳥した渡り鳥を数多く剥製に
   した灯台職員が過去に居ました。サンコウチョウだけでも長い飾り羽の
   有る♂、少し長い♂、無い♂が沢山剥製にされています。更に、南国から
   こちらに来る時に長い尻尾が有るのに、南国へ戻る時に長い尻尾を
   落として飛びやすくするなどの理由付けは、全く理屈に合っていません!


②  繁殖など子育てを行う時、♂は長い尻尾が邪魔になるので自ら抜く。
A  繁殖活動をこれまで何度も見てきましたが、普通は我が子が巣立ちし
   てもオスには長い飾り羽があります。無いのは5月に来た時点での若い
   個体と、縄張り闘争で飾り羽が折れたり抜けた個体(一本が多い)だけ。

誰が言い始めたのか知らないけど・・①や②は間違いです!!そもそも、“長い尻尾”と言う表現から間違っています。正しくは、長い一対の飾り羽と言うのが正解です。
長い飾り羽は左右に2本有り、それも♂の成鳥だけに生えています。普通の尻尾は、♂も♀も若もみんな生えています。

シンプルな答えは、日本に来る時に長い飾り羽が有る個体は、闘争で抜けない限り7月下旬頃までそのまま生えています。日本に来る時に長い飾り羽が無い個体は、その年は普通の尻尾だけで過ごして南国へ行く。これをしっかり覚える事です。

良いですか?サンコウチョウを始めとして日本にやって来る夏鳥たちは、こちらへ到着したら、縄張りや相棒を決めて繁殖活動に入るのですよ。大分では大体4月から7月くらいです。一番いのカップルが育てる我が子は3~5羽。この時期は自分が食べるエサと子供に食べさせるエサが必要で、エサが豊富である事が大前提です。

子育て後半のメスは見る影もないほど脂が無くなり、ボロボロになりながら我が子を育てています。見た感じ♂の方は若干体力が残っていますが、親鳥たちは己の命を削って子育てを行っているのです。

巣立ち後の子供が一人前になった時、親鳥達は初めて自分の食事が出来る様になります。この時期が7~8月。自分の体力が徐々に戻ると、今度は冬に向けての換羽(トヤ)が始まりますが、このトヤにも沢山のエネルギーが必要で豊富なエサが不可欠。

これが7月後半~9月で、繁殖用の飾り羽を始めとして、全ての翼や羽毛が生え変わるのです。やっと生え変わったと思ったら、直ぐに南国へと行かなければならず、沢山の栄養はまだまだ摂取しなければなりません。

よって、7月後半~9月はトヤのために、普通の翼・冠羽・羽毛・長い飾り羽も、順次抜けながら生え換わっているのです。この時に翼・冠羽・羽毛などは全て出揃いますが、飾り羽だけは不要なので出て来ないだけ の話し。

長い飾り羽を抜くのを見るのは大体この時期の始めの方で、水浴び後の羽繕いで抜け落ちそうな羽などを自ら抜く行為で、飾り羽を抜くだけではないのです。

飾り羽を抜く行為を人が確認出来るのは、ただ単に良く見えるだけの話しで、私達が抜けそうな歯をいじるのとなんら変わりません。鳥種や個体差とエサの量にもよりますが、大体3~4週間かけてトヤは終わります。

旅の邪魔だとか繁殖活動の邪魔などあり得ない。自然界に無駄は一切ない!!
・・・人の都合を自然界に当てはめるのはナンセンスです。

今一つ、サンコウチョウの巣を撮影していると、カメラの向きを察知したカラスがサンコウチョウの巣を発見して卵や雛を食べる。これも嘘。

この言葉は、サンコウチョウの巣を写させない人の考えで、一つは本当に繁殖に成功して欲しいという考え方。もう一つは自分の撮った写真と同じものを他人に撮られたくない・・という自己満足の世界からの考え方。

私はカラスとも付き合いは長いですが、小鳥などが繁殖する時期のカラスの採餌方法は、木々の中間を移動しながら繁殖期特有のエサを探しています。これは小鳥の卵や雛を始め、弱った獣の子供や小動物、昆虫類などを食べるのが主目的。それとキノコを食べるのも今一つの目的となっているのです。

だから、木の中間の枝を渡り歩いて上下のエサを探しているのです。それと相まって、サンコウチョウの巣の位置が、カラスの通り道と同じくらいの場所に有るのも狙われやすい理由です。

今一つ追加された採餌方法として人間の利用です。人が集まる所には食べ物が有る事をカラス達は学んでいます。人が集まったその場に行くとゴミや食べカスがあるので、人が去った後にはエサ探しでやって来るのです。

サンコウチョウの巣を撮影する人をカラスが見た場合、人の食べカスが有るかも知れないとやって来て、なおかつ鳥の巣やキノコなども連日探し、結果的に写していたサンコウチョウの巣を発見する事に至るのです。

よって「カメラを構えている方向を見て巣を見つける」というのは推測の話しで根拠なし。この時期のカラスの採餌パターンを知らない人の言いがかりです。

貴方はサンコウチョウの♂が長い飾り羽をつけて、全力で飛ぶ姿を見た事がありますか?その姿は目を疑うほど。ヒラヒラと優雅に飛ぶだけではありません。

貴方は尻尾の長い飾り羽の付いた♂が、その飾り羽をどの様に使うのか見た事はありますか?・・♀への求愛時は天使の姿を見せているのですよ!

貴男はサンコウチョウがカラスやカケスに攻撃を加えている所を見ていますか?番い以外のサンコウチョウが、その攻撃に参加しているのを見た事ありますか?

貴方は番いのサンコウチョウ夫婦に、もう一羽のサンコウチョウが来て、一緒に雛へエサを渡して3羽で育てている場面を見たことは有りますか?

サンコウチョウは私が子供の頃から観察して知っている小鳥。普通の方々より数多くのサンコウチョウ達を見ています。人からの聞きかじりや書物を読んだ知識ではありません。10代の頃から今日までの観察結果をココに書いているのです。

この記事を信用してくれるも良し、しなくても良し。鳥類学者ではない、一個人の見解を述べたブログだからです。とにかくサンコウチョウの尻尾と、ルリビタキの♀タイプの二つは、ネット内で間違いが氾濫していると思っています。

5月に撮影 ♂若と位置付け(目・嘴の青と背中の紫は大人の♂色ですが飾り羽無し)

今年6月に撮影した♂若(目・嘴の青と背中の紫は大人の♂色ですが飾り羽無し)

抱卵中の♂成鳥 子育てで尻尾が抜けるなどあり得ない

こちらは子育て中の♀成鳥 撮影は全て基地内部からで人の姿を見せません

こちらはサポーターの♀、番いの2羽と一緒に雛へエサをあげていた

成鳥の♂や♀の口中は緑色、これもサンコウチョウの特徴です

♀若(2017年に生まれ、幼羽→第一回冬羽に換羽)口中が黄色(9月12日撮影)

♂2年目の成鳥 長い飾り羽が尻尾の長さの約2倍と少し短い個体

2016 9 7 ♂若? 嘴・アイリング黒・羽の茶色は若、アイリングが狭いので♀かも

2014 9 21 ♂若 上の写真と違うのは黒いアイリングの幅が太い事(第一回冬羽)

写真②の♂がトヤを迎えた時、冠羽と飾り羽がありません (8月6日)

♀の羽色(茶色)をまとった♂若、羽色が紫ではない♂若は人生初(♀タイプ)

同じ♂若の腹側からのショット(♀よりアイリングが鮮やかで太い)

上2枚の奥さんです。この時の見分けは♂の下尾筒の白が多い事で夫と判断

巣立ち直後の雛、こんな体でも飛翔能力は想像以上にあります

巣立ち後12日目の幼鳥、左はお母さん


これはあくまで私の私見です。間違いや意見が有ればコメントOKです。
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勉強になります
初めまして。
サンコウチョウの撮影に行き、尾羽の話が気になって調べていたところ、この記事に出会えました。
人は自分の都合のいいように解釈するのですね。ドラマも乗せたりして。ありがとうございます。この記事に出会えてよかったです。
村上 2021/07/14(Wed)10:03:54 編集
ありがとうございます
初めまして。
見て頂き、コメント迄して頂きありがとうございます。
一つの意見として、参考にして頂ければ幸いです。
カンダイな人 2021/07/14(Wed)20:32:11 編集
サンコウチョウのヘルパー 観察 おめでとうございます
サンコウチョウにはまって、十数年、巣の観察も何度か続けましたが、捕食者の多さと、ショックを受けた事を久しぶりに思い出しました。
捕食者の影響の一部に、人間の活動が多少はあると思いますが、カラスの採餌行動の恐ろしさは、人々の撮影行動からの影響以上だと思います。
定期的に雀の巣を回ってきたり。
オスの尾羽、気になりだしたら想像の世界、広がりそうですね。
PS 大分は、ヤイロチョウの繁殖は、多くのでしょうか、宮崎はだいぶ居たように思いますが、気になったもので。
今までご覧になられたサンコウチョウの行動の私見を、ぜひ文章化され、拝読したいと思います。千葉で十年、ヒルに守られた森でサンコウチョウを見てきたものとして、是非学ばせていただきたいです。ご連絡を楽しみにしています
事実と違う事が多い
サンコウチョウとルリビタキは、ネットを見ると事実と違う事が多いから、私のブログで発信したまでです。
カンダイな人 2024/04/06(Sat)20:03:02 編集
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